星の樹の世界 "ディティス" 世界の話 | |
ディティスは、4つの大陸と、大小様々な島からできている世界です。自然が豊かで、海は澄んで美しく、地上には豊かな森や草原が広がっています。 この世界は精霊の加護を受けており、多様な精霊たちが世界中に住んでいるようです。これは、『マナム』という魔力物質が、世界の中に豊富に存在するからです。『マナム』は世界樹といわれる、世界の根幹を支える大樹によってつくられています。 また、この世界には数多くの生命が暮らしています。その中でも、いくつかの知的生命が特徴的です。大別すると、4種族の知的生命がいます。精霊族(リツァル)の他に、人族(ヘマル)、妖精族(エーレル)、竜族(ドラグーン)です。彼らは世界の各地に散らばり、共存したり、衝突したりして暮らしているようです。 そうそう。もう1つ、特徴的な生命がいることを忘れていました。それは、『ムマラ』と呼ばれる生命のことです。『ムマラ』は種族の名前ではなく、ある共通の特徴をもった生命の総称です。 その特徴とは、むやみに他の生命を襲うことです。もちろん生命は、食物とするためや、己の身を守るために、他の命を脅かします。しかし『ムマラ』は、そのような目的もなく、ただ、襲うためだけに生命を襲うようです。そのため『ムマラ』は、生命たちに『魔物』と呼ばれています。 さて、世界の中身を詳しく説明していきましょう。 まず、この世界には、何故か『縁』があります。つまり、円盤のような大地の上に、世界が乗っかっていると、この世界の生命たちは信じているのです。 ……色々な世界を巡ってきた私に言わせると、そんなものは迷信ですがね。えぇ。 それはそれとして、この世界の人間達は、『世界の縁』に通じる海のことを『最果ての海』と呼んでいます。『世界の縁』を見ようと、それを旅立っていった者たちが、誰1人として戻ってこないことから、『戻らずの大海』とも言うそうです。気味が悪い話ですが、これらの事実が、『世界の縁』の存在を裏付けているようですね。 世界の中心の大洋は、『蒼海』と呼ばれるルーネ海です。4大陸に囲まれているため、南北に細長い形をしていますが、このルーネ海が世界中で1番大きな大洋です。ルーネ海は肥沃な漁場でもあります。 次に、大陸や島々について説明していきたいと思います。 先程、この世界は4つの大陸と多数の島でできている、と言いましたね。 4つの大陸は、世界のほぼ東西南北に位置しています。そして、世界の中心、4つの大陸の中心にはクレマサルタ群生島があります。 それぞれについて、詳しく説明しましょうね。 | |
ディティスの世界地図 | |
* リクルト大陸 『東』に相当する大陸は、リクルト大陸と言います。この大陸は4大陸のうち最も面積が広い大陸で、“始まりの大地”と呼ばれています。古代の遺跡や動植物がたくさんあり、妖精族や竜族も多く住んでいるせいでしょうね。 しかし、この大陸は、中央部のリクルトレイスと呼ばれる秘境や、南部のレイの森という大森林のせいで、他の大陸に比べて、人族があまり多く住んでいません。また、北部が人族の領域、南部が妖精族の領域というように、古くから住み分けを行っています。そのために、種族間の交流があまりありません。しかし最近では人族の分布が広がり、あちこちで種族間の衝突が起こっているようです。 大陸の南東側は『最果ての海』、ミル海です。 * アルシャ大陸 『西』に位置する大陸は、アルシャ大陸と言います。大陸の真中に『アルシャレイス』と呼ばれる秘境を有し、そこを挟む形で文明が発達しています。大陸北の湾はアルフェ湾と言い、アルシャレイスを流れるアルフェ河が注いでいます。その先の海は『最果ての海』、スムセル海です。 この大陸は、別名“交易の大陸”と呼ばれ、4大陸のうちで最も他大陸との交流が盛んです。他の大陸同士に比べ、大陸間の距離が近いせいでしょうね。また、この大陸には多数の種族が住んでおり、種族間の交流も4大陸中、最も盛んです。 * マファルタ大陸 『南』の大陸は、マファルタ大陸です。この大陸は、“緑の大地”と呼ばれ、手付かずの自然が多く残っています。また、4大陸のうちで2番目に面積が広く、資源も豊富です。 ただ、この大陸の真中にはスニィル山脈という大山脈が横たわっています。スニィル山脈は、本当に広く険しく、ここを人の足で越えるためには、早くても15日程かかるそうです。世界一高い山、セレスティアル山がこの中に含まれていますから、険しくて当然なのでしょうね。 このスニィル山脈のために、大陸北部と南部では、気候も文化も全く違います。特に、人族の文化は差が顕著です。北部では、スニィル山脈から流れ出し、大陸北東部流れるムーナス河を中心に、文明が発展してきました。南部では、何もない草原が広がっており、放牧を生業とするジプシー文化が発展してきました。 そして、北部は雑多な人種が暮らしていますが、南部は人口のほとんどがメトル人です。 大陸の西側は『最果ての海』、フェルノ海です。ここは、大きな大陸棚があり、肥沃な漁場になっています。 * シレィラ大陸 『北』に位置するのは、シレィラ大陸です。この大陸は4大陸中最も小さく、他の大陸と少し離れた位置にあります。そのため、独自の自然や文化が発達しており、畏怖の念をこめて“幻惑の大陸”と呼ばれることもあります。 この大陸は、中央に『白砂漠』と呼ばれる大きな砂漠があります。その北には『果て森』と呼ばれる深い森、『霧人の谷』と呼ばれる切り立った渓谷があり、厳しい自然環境です。白砂漠の南は、肥沃な草原地帯で、他大陸との交流も盛んです。 人口は、ファル人とヘゥル人が多く、妖精族やメトル人はほとんど住んでいません。 大陸の北側から北西側にかけては『最果ての海』スムセル海となっています。 * クレマサルタ群生島 クレマサルタ群生島は、世界の中心、ルーネ海の真中に位置する諸島で、大小様々な数十個の島が浮かぶ海域全体のことを指します。限定された地域にかなりの数の島が集まっているので、群生島と呼ばれています。 この島々の中で、特に大きな島は3つあり、大きい順にチーニ島、ノグモール島、ユパーナ島と言います。これら3つの島を中心に人族が住んでおり、その人口の大半はレシェル人です。その他の島には、竜族が多く住んでいます。 大陸から切り離された環境が長い間続いたため、クレマサルタは独自の文化を発展させました。そのため、この島々では世界で唯一、人族と竜族の共存が実現しています。 大まかな説明は、こんな感じですかね。 それでは、今回はこの辺で。 |
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